【日光】真冬の寒さと自然の力を利用して生産する天然氷の切り出しが13日、御幸町で始まった。今や日光の特産となった天然氷。春には京都や静岡・浜松にも出荷する。

 製氷池に厚さ14センチに張った氷を電気カッターで縦75センチ、横45センチ、重さ40キロの氷板に切り、木製レールで次々に氷室に運ぶ。氷点下5度と冷え込む早朝の作業は今や日光を代表する冬の風物詩だ。

 池の底に土がないと透明度の高い氷が作れないことから、今年は「まず土作りにこだわった」と「氷屋徳次郎」の山本雄一郎さん(60)。氷が張り出した昨年12月20日ごろからは、毎朝日の出前から氷の上に用意した雪を敷き、それを掃き出すことで目に見えないごみや誇りを取り除いた。

 かつて市内に10軒近くあった天然氷の氷室も今は3軒にまで激減。氷屋徳次郎では2カ所の池から2日間で氷板2千枚、80トンの氷を切り出し、その後再び水を張って最終的には4千枚、160トンを生産するという。