心のケア


子どもたちの心は、災害によってもたらされた恐怖を伴って傷ついています。しかし、子どもは大人に比べて、自分の受けた心の傷を表現することが難しいという側面を持っています。




一見、明るく元気に見えても、心を傷めていることに、気づいていきたいものです。また、災害の混乱のなかで、周りの大人たちは、子どもの気持ちを十分に聞く余裕を失っている可能性にも留意しなければなりません。

看護者には、子どもの気持ちを否定せずに傾聴し、また、子どもが疑問に思っていることに分かりやすく答えていくことが期待されます。




このような働きかけは、被災体験を子ども達なりに理解し、心の整理を行う糸口となります。また、看護者は、子どもを取り巻く大人たちと協力して子どもが安心できる環境を調整することも必要です。




この場合、子どもを取り巻く大人たちとして、親や学校の先生等がいます。また、安心できる環境としては、遊び場等の確保が有効でしょう。

周囲の大人たちは、子どもの心の傷にどのように接するべきか迷ったり、戸惑ったりすることも考えられます。




そのような場合は、親や周囲の大人に対しても相談にのり、接し方について教育的な介入を行うことも必要となります。

子どもの場合の災害時のストレス反応とそれに対する対応は、右表の通りです。

ただし、このような兆候が長引く、または強い場合は、PTSD(Vol.1参照)の可能性もありますので、心のケアの専門機関へつなげる必要があります。