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 【鹿沼仲町の老舗呉服店常陸屋」(富山亮社長)は4月から毎月第1日曜日、市内在住・在学の中高校生に着物を無料レンタルし街歩きを楽しんでもらう「鹿沼きもの街巡り」を実施する。同じ第1日曜日の「ネコヤド大市」や4月29日開館の観光施設「まちの駅 新・鹿沼宿」など、イベントや名所での様子を携帯電話などのカメラで撮影してもらい店内で公開。街と着物の魅力をPRし、世代間の交流も図りたいという。

 同店は例幣使街道沿いで、完成間近の「新・鹿沼宿」隣。彫刻屋台を持つ仲町の中にあって、これまで店前に江戸時代の街灯「常夜灯」を再現したり、地元産の麻紙を壁に貼って店内に巨大壁画を制作中など、伝統への意識は高い。「鹿沼宿の隣になり、まちづくりの責任にさらに目覚めた」と富山6 件社長は笑う。

 きもの街巡りは、若者に鹿沼の街と着物の魅力をPRするのが狙い。同じく中心街で飲食店「饗茶庵」を経営、上材木町で若者向けフリーマーケット「ネコヤド大市」も主催する風間教司さんと親しいこともあり、大市との同日開催で相乗効果も期待する。

 街歩きの前には着付けやヘアメイクも提供。今宮神社や大市会場などで記念写真を撮ってもらい、店内で公開する予定だ。

 試験的に社長の長女で中学1年の彩乃さんとその友人黒川詩恵璃さんが着物で歩くと、高齢者から「私も昔はよく着た」などと声が掛かった。こうした年齢を超えた交流を、着物の力で毎月再現したいという。

 起業や独立志望の若者が多いネコヤド大市では、出店者も世代的に近く話が弾んだという。「大市の若者は既に夢がある。そういう人と話せば、中高生も自分の夢が生まれるかも」(富山6 件社長)。問い合わせは同店電話0289・62・2538。