MTB霧降高原


 【日光】雄大な自然を誇る霧降高原でマウンテンバイク(MTB)を楽しんでもらおうと、地元住民らでつくる「日光森と水の会」(小坂憲正代表)が手作りで整備を進めていた「霧降MTBコース」が完成し、6日試験走行会が開かれた。一般に開放するMTBコースの整備は県内で初めてといい、来春のオープンを目指す。霧降高原の観光振興が目的だが、使われていない森林管理道などに人の手を入れることで、森林の荒廃を防ぐ狙いもある。

 完成したコースは、スキー場跡地に近い霧降高原第1駐車場がスタート地点。全長3キロ、幅2〜4メートルで、標高約1200メートルのスタート地点からニュー霧降キャンプ場まで高低差300メートルを駆け下りる。カラマツやミズナラに囲まれた森林管理道を利用した。「プライベートのコースは幾つかあるが、一般開放するMTBコースは県内で初めてではないか」と県自転車競技連盟の大島研一理事長。

 きっかけは、「森と水の会」のメンバーで観光施設などを営む山本仁一郎さん(35)が昨春、市内在住の米国人マーク・オーエンズさん(30)に出会ったことだ。

 MTBを楽しむオーエンズさんと知り合い、「霧降にコースを」と思い立ち、自然保護や地域振興などに取り組む同会に相談したところ、12人の地権者らも含め快諾。市の補助も受け今春から始まったコース整備には、同会メンバーのほか、交流のある人や団体、MTBの愛好者らも加わった。

 地域の活性化が大きな狙いだが、「使われていない管理道などは放っておけば荒れてしまい、山が死んでしまう。みんなで手を入れることで森林保全にもつながるはず」と山本さん。コース整備に併せて草刈りや間伐も積極的に取り組んだ。

 6日の試験走行会にはオーエンズさんをはじめ、約10人の愛好者らが完成したコースを試走。今後は試験走行を繰り返し、来春のオープンまでに危険個所のチェックを行っていくという。