寒ざらしそばで誘客を 日光商工会議所が商標登録検討


【日光】秋に収穫されたソバの実を冷たい清流などにさらして保存した「寒ざらしそば」の試食会が19日、所野の飲食店で開かれた。福島第1原発事故に伴う観光客減が続く中、誘客につなげる目的で地元そば愛好家らが企画。旅行会社の担当者も試食し、「このそばを含めた旅行プランを検討したい」と高評価を得た。事業を支援する日光商工会議所はブランド化に向け、「日光かんざらし」の商標登録を検討するという。

 寒ざらしそばは、ソバの実を厳寒期に清流や雪原にさらし、アクを抜くことで甘みや風味を引き出す。高血圧予防に効果がある成分も増すという。日光の厳しい自然環境が生産の条件と一致するとして、愛好家や製粉業者らでつくる日光寒ざらしそば研究会が3年前から、商品化に取り組んでいる。

 試食会には県や市、旅行業者など約50人が出席し、新たな特産の味を堪能した。

 研究会は、百貨店のギフトとして売り出すほか、寒ざらしそばビールの原料とする。新たな商品開発も検討する方針だ。山本雄一郎会長(61)は「品質が安定しているので、本格的に売り出したい。夏季に涼を楽しむ食べ物として、新たな観光資源になるのではないか」と期待を寄せる。

 寒ざらしそばは28日からのゴールデンウイーク期間中、所野のニュー霧降キャンプ場・食堂で提供する予定。問い合わせは同キャンプ場電話0288・53・4728。